2009年8月29日土曜日

"Inglourious Basterds"「イングロリアス・バスターズ」

話題のタランティーノ最新作"Inglourious Basterds"「イングロリアス・バスターズ」を観ました。

タランティーノの映画は、どんどん一筋縄ではいかなくなっていく感じです。普通なら、映画を台無しにしてしまうような、いろーんなことをやってるのに、一本筋が通ってるのが見事で、それだけでも監督としての手腕を証明していると思うけど、今回はそれだけじゃない、と何人もの批評家は絶賛しています。

タランティーノの映画って、はんぱじゃないバイオレンスがトレードマークだけど、それだけなら彼以外にも、バイオレンス描写で鳴らした監督はいます。QTが特異なのは、実はバイオレンスよりも、登場人物達がすべからく詭弁を弄して、物事を自分に有利に運ぼうとするところ。本作でもその特技が遺憾なく発揮され、暴力が勃発する前に、どいつもこいつもしゃべる、しゃべる、しゃべる、しゃべる。おかげで上映時間2時間半よ。そんななか、ヒロインの女映画館主だけは、不言実行タイプ。彼女が行動を起こすときに流れるデヴィッド・ボウイの曲がしびれます(確か「キャット・ピープル」の歌だと思う)。

ゲッペルスには、フランス語の通訳(兼愛人)が付いていて、「キル・ビル」の腕切られちゃう通訳へのセルフリファレンスだなあ、と思ったら、同じくジュリー・ドレフュスでした(^_^;)。彼女の連れてる大きなプードルがかわいいです。マイク・マイヤーズも老けメイク、なぜ彼?という役どころでゲスト出演しています。

QTがコナン・オブライエンの「トゥナイト・ショウ」に出た回を見ていたら、ドイツで撮影した時、「タランティーノ」という彼のファンが集うバーがあるのを知り、顔を出したら、店主はあわてず騒がず、「あなたのバーへようこそ!」と手を差し出したそうです。でも、店が持ってる彼のDVDが「キル・ビルVol.2」と「デス・プルーフ」だけで、しかも後者は傷が入っているために、10分ぐらいですぐ最初に戻っちゃうんですって。

本作は、「地獄のバスターズ」というB級イタリア映画を下敷きにしているらしいです。でも、なぜ原題の綴りをわざと間違えているのかは不明。

本作を貶している評で面白かったのは、「この映画はブロードウェイの観客が"Springtime for Hitler"を観る時の態度で臨むしか救いはない。あんまりひどすぎるので、いい作品だと逆に錯覚してしまうのだ」、というもの。"Springtime for Hitler"って、メル・ブルックスの「プロデューサーズ」の劇中劇です、念のため。

"Taking Woodstock"「ウッドストックがやって来る」


"Taking Woodstock"という映画を観ました。
あの伝説的な音楽イベント、ウッドストックにまつわる映画です。

お客さんが、すごい年配の人ばかりでした。だって、考えてみたらウッドストックってもう40年も前の出来事なんですもんねぇ。私はウッドストックというと、音楽イベントよりスヌーピーの相棒の鳥さんを連想する世代です。

予告編を見て、小さな田舎町にある時音楽イベントが開かれることになり、ヒッピー達が大挙して押し寄せ、町の人々は大あわて! みたいな、ラブ&ピースの町おこしムービーかな、楽しそうだな、と思って観に行ったのですが、それだけの映画ではありませんでした。なんたって監督がアン・リーですからねぇ。

主人公は、商売っ気のないモーテルを営む両親を手伝う若者、エリオット(コメディアンのディミトリ・マーティン)。負債を抱え、今年の夏じゅうになんとかしないとモーテルをたたむしかないという状況の中、ヒッピーがロックコンサートの会場を探しているという記事を読んで、飛びつきます。電話一本で現れたのは、ヘリに乗った巻き毛の青年プロモーター、マイケル・ラングとそのご一行。日常に突如侵入する、非日常。いいですね、ワクワクしますね(淀川長治か)。近所の農場主ヤスガ(ユージン・レヴィ)の土地を会場に使うことに話がまとまります。

物語は、コンサートの準備の様子に大半を割き、いよいよ本番が始まると、演奏したミュージシャンたちの場面は一切出さずに、40万人の人々が一カ所に集った当時の3日間の雰囲気を伝えることに焦点を当てて、当時の実際の映像と、この映画のために再現した映像とを、映画「ウッドストック」のスタイルを取り入れつつ混ぜて編集しています。特に、初日の夜、エリオットが会場をやや離れたところから見下ろすと、ステージを中心に無数の人々が取り囲んでいるCGによるモブシーンが、集まった人々の多さを感じさせて印象的でした。

なぜか会場で一人颯爽と馬を乗り回し、イベントの成功を露ほども疑わないマイケル・ラング(実在の人物)や、若いときの辛い体験のせいで守銭奴になってしまったエリオットの母(イメルダ・スタントン)、その母を愛してると言い切る父親など、どの登場人物も一癖あって面白いですが、リーヴ・シュライバー扮するトランスヴェスタイトの元海兵隊員が、出来事から一歩引いて主人公を暖かく見守る役回りで、よかったです。スカートをめくると、ピストルを隠して持っているのだ。変にクネクネしたり、化粧したりしない潔いトランスヴェスタイトです。

ところで、この映画を観たNickelodeonという映画館も、ちょうど営業40周年を迎えたそうで、公開前の深夜、本作を特別上映してお祝いしたそうです。映画館をはじめた頃は、サンタクルーズは「リタイアしたお年寄りが死にに来る町」と言われていたそうで(ヒドイ)すが、サンフランシスコでも映画館を経営していたその人は、UCサンタクルーズ大が出来たのを機に、この町も変わっていくだろうと予測したのだとか。予想は当たり、今のサンタクルーズはお年寄りも多いけど、サーファーや学生も多い(変人とホームレスも)、活気のある町です。

私、昨日てっきり金曜日だと思っていて、そのイベント行き損ねちゃった…とほほほほ。最近ちょっと日本とやりとりしていたからなぁ。今度、とある映画の祭典に行くのですが、ちょっとしたトラブルが起きているところなので、こういう、みんなで細かいこと気にせずラブ&ピース! みたいな祭典、すごくいいなと思う。実際はいろいろあったとしてもさ、そういう気持ちをみんなで持って集まるみたいの、いいじゃん。

2009年8月28日金曜日

"District 9"「第9地区」

ピーター・ジャクソンのプロデュース作品"District 9"を観ました。SFです。

舞台は、南アフリカのヨハネスブルグ。20年前に突然UFOが飛来し、そのままずっとヨハネスブルグ上空に停滞しているという設定で、UFOに乗ってきたエイリアンたちは、「9地区」と呼ばれる一角に隔離・収容されています。UFO、エンコしちゃって動けなくちゃったんだそうで。エイリアンたちは昆虫に似た外見で、高度な科学力を持ちながら穏和な性格らしく、人間たちに手荒にされても抵抗しないで大人しく従っています。居候としての立場を弁えてるみたいです。主人公は、ワイカスという30台ぐらいの役人(「未来世紀ブラジル」の主人公を彷彿させる)で、エイリアンたちを、さらに町から離れたキャンプに移す手続きを執行中。エイリアンたちには何の関心も持たずにお役所仕事をこなすのだが、不注意でエイリアンの薬物に触れて、体に異変を来します。そのために人間たちに追われ、9地区に身を隠し、とある理由で利害の一致したエイリアンの一人と協力して行動を共にするようになります。

エイリアンはCGIなんですが、「GーForce」に続き、実写との合成も違和感がなく、CGだということをともすれば忘れがちです(いくつかの場面では着ぐるみも使ってると思う)。でも、映画全体はB級テイストというか、さすが「怒りのヒポポタマス」の監督がプロデュースしているだけあって、グロいです。スクリーンにホースで水ぶっかけて洗ってあげたくちゃいます。

映画を観ている者たちは、「9地区」の様子からアパルトヘイトや難民キャンプを連想せずにはいられないようになっています。情け容赦なくエイリアンを追いたてる主人公に感情移入など出来ないし、ゴミの山を漁り、猫缶でくいつなぐエイリアンたちをことさら惨めったらしく、不潔に描いて弱者と強者の構図を強調しています。

展開が読めないため、上映時間が非常に長く感じ、見終わったらぐったり疲れました。でも、すごく面白いです。後半は、日本のロボットアニメ、「ガンダム」や「エヴァ」を観たときと同じような興奮を覚えます。主人公が年食い過ぎだけど。ラストのいじましさも好きです。

それにしても、もうすぐ「9」も公開になるし、今年のキーナンバーは「9」ですかねぇ?

2009年8月15日土曜日

"Ponyo" 「崖の上のポニョ」

"Ponyo"を観ました。
公開初日の第一回。いさんで映画館に駆けつけたら、最初、あんまり人が入ってないなあとちょっとガッカリ。でも、そのうちわらわらやって来ました。もちろん子連れが主要な客層です。こっちの人は、結構ギリギリにどわっと来るんですが、いつもは予告編を延々やってるからまあだいたい本編が始まる前には腰を落ちつけられるのですが、今回は予告編がたったの一本だけ(サンダンスのクロージングを飾ったエコドキュメンタリー)で、トトロのロゴがパッて映ったと思ったらもう始まっちゃったので、間に合わなかった観客がいっぱいいたし、私もちょっと心の切りかえにもたつきました。でも、クラゲに続き、ミジンコたちのマリンスノーとともにどんどん画面が海底に降りていき、なんだかマイケル・ジャクソンを連想させるお父さんがお仕事をしている(海中だから動きが緩慢)セリフや効果音のない一連の描写に、文句なく圧倒されます。
いつもは空が舞台のお話や描写が得意な宮崎監督が挑戦した、CGに一切たよらない水や海の描写が、とにかく素晴らしいですね(水と火の描写はセルアニメが最も不得意とするところ)。黒い線だけで、バケツに汲んだ水の表面を表現したり、メタモルフォーゼしたり、ゲル状になったりする水。こういう多彩な表現は、一朝一夕でできるものではないでしょう。本編の80%ぐらいに水が出てきて、すごい作画枚数だったろうな。
往年の宮崎作品を連想させるシーンもところどころに出てきます。クラゲを被って水面に向かっているポニョはオームの眼の抜け殻をキャノピーにするナウシカを思い出させ、海底をさらう網から逃げるポニョの様子はお城の下水施設にもまれるルパンみたい。千尋が階段を駆け下りるシーンを連想したシーンもあったな。

吹き替えは、いつもは暗い役ばかりのリアム・ニーソンがお父さんをアテてるのが面白かったです。「センセイ」「ツナミ」はそのまま日本語でした。

相変わらず、食べ物の描写も丁寧で、ポニョと宗介が飲むスープ(?)とか、昨日観た「ジュリア&ジュリー」の料理よりよっぽどおいしそうに気持ち込めて描けている。でもポニョがハムが好きという設定が解せない…。あの年にしてもう肉食系女子という比喩か!?(そんなわけはない)お母さんがドアを開け閉めする仕草、宗介がバケツを運ぶ仕草、車のガラスに当たる雨粒…。観どころは全画面だ。

始まって10分ぐらいで、なんだかおんぼろフィルムみたいな縦線が入るなあと思ってたら、そのうちピンぼけしだして、とうとう止まっちゃいました。ピンぼけ直すのに5分くれ、とあんちゃんがやって来て説明して、結局15分ぐらいボーッと待ってました。この後、昨日バッタリ会ったデボラの美容室に予約を入れてたので、間に合わないかとハラハラしました。ギリで間に合って良かった。

大人と子どもが笑うところ(おでこゴツン←子ども/お父さんがジト目で海からやって来る←大人とか)が違ってて面白かったけど、みんな画面に見入ってた感じ。終わったときは拍手がちょっと起きたし、ちゃんと残って歌を聴いてる子たちもいっぱいいました。なぜか一緒に歌えるお兄さんとかもいたりして。歌は英語版。「♪ponyo pony tiny little fish」

2009年8月1日土曜日

"G-FORCE"「スパイアニマル・Gフォース」

CG製のギニーピッグたちが大活躍するディズニー映画。ワトソンヴィルまで3D上映版を観にいきました。

FBIをスポンサーに、発明家のベンは密かに小動物をスパイに仕立てる訓練を施していました。FBIのお偉方に成果を見せるため、とあるハイテク富豪の豪邸へ忍びこませて、世界を破滅させる陰謀の情報を入手するのですが、情報を収めたPDAにウィルスが仕込まれており、結果は不首尾に。お偉方はチーム解散を命じます。

まー筋はどうでもいいんですが、CGというか、CGで作られたキャラクターと、実写部分の合成がものすごく上手くできていて、まったく違和感がなかったのが脅威的。ギニーピッグの毛並みも、とってもリアル。かわいかった〜。スティーヴ・ブシェミが声を当てているハムスターが途中で出てくるんですが、そいつが一番かわいかった。ウサギが出て来なくて残念。そのせいというわけでもないけど、途中で飽きちゃった。

もとネタは、絶対これでしょう。


これ、製作がブラッカイマーのせいもあり、かなり大々的に宣伝していました。公開前、街中や映画館に貼られたポスターに、ちびっこ達がうれしそーに寄っていくのを見て、「こりゃ当たるな」と思いました。ブラッカイマーの「お買いもの中毒な私」の中にも、ポスター貼ってあったから。商魂たくましーい。

ベン博士の役を、「The Hangover(ハングオーバー)」のザック・ガリフィアナキスが演じてます。
富豪役のビル・ナイ、あまり出て来ないんだけど、おもしろかった〜。ちょっと"The Bullet Man"で英語版鉄男を演じたエリックに感じが似てました。彼が年取ったらビル・ナイみたくなりそう。

"Moon"「月に囚われた男」

サム・ロックウェル主演の、月を舞台にした映画です。つい先日、アポロの月着陸場面の修復映像がニュースに流されておりました(オリジナルビデオを上書きして消しちゃうなんて!)し、若田飛行士とか、宇宙関係の話題が続いてますが、近所の本屋さんでも、宇宙関係の本の特集棚が作られてました。月面着陸から40年目なんですね。

本作も、思弁的なSF。派手なCGとか出てきません。主要登場人物もサム・ロックウェルただ一人。滑らかに動くアームの付いた船内コンピューター・ロボット,ガーティ(「恐竜ガーティ」!…とは関係ない)の声を、ケビン・スペイシーが演じています。

エネルギー問題を、月から送られるヘリウムで解決した近未来。サムはただ一人、月の裏側の基地で作業をしていますが、もうすぐ3年の年期があけ、愛しい妻子の元へ帰れる日を楽しみにしています。でも、なんだか最近体調がすぐれないし、おまけに幻覚のようなものまで見始めます。ある時、作業中に事故を起こして気を失うサム。目を冷ますと、基地の医務室で横になっており、ガーティが様子を見守っていました。「サム、何が起きたか覚えていますか?」と声をかけるガーティ…。

ここから先は、書けません!

すごく面白かったから、SF映画が好きな人は、是非観て欲しいです。
サム・ロックウェルが、大活躍しています。アストロノートと基地を支配する、優しい声のコンピューターという図式は、「2001年」を彷彿させますが、さて、このガーティは、HALのようにサムに危害を加えるのだろうか? 敵か味方か!?
道具立ては「2001年」ぽくても、どちらかというと本質は「ソラリス」です。音楽も、リメイク版「ソラリス」に似てました。

ガーティについた小さなモニタ画面に、ニコちゃんマークが映って、その時のガーティの気分で表情が困った顔になったりするのが、面白かったです。

"The Hurt Locker"「ハート・ロッカー」

なんだか偉く評価が高いのと、宇宙服みたいな、ものものしい格好の兵士とその背後の爆煙を映したスチル写真に惹かれ、あまり得意ではない戦争映画を観にいきました。男よりも男らしい映画を撮ると言われているキャスリン・ビグロー監督の、イラク戦争ものです。

冒頭早速例の宇宙服みたいなカッコで路上に仕掛けられた爆発物を処理しに向かうのは、あら、ガイ・ピアースじゃないですか。とはいえ彼は脇役で、 物語の大半は、Jeremy Rennerという知らない役者が演じる命知らずな爆発物処理係、ジェームズ軍曹を中心に薦められます。とにかくコイツは無茶な野郎で、後方支援の仲間の いうことは聞かないし、気が散るからと指示の飛んでくるヘッドホンは捨てちゃうし、身軽になりたくて宇宙服も脱いじゃうし、作戦おかまいなしに、爆弾を無力化するまでテコでも動かない。

『ボーフォート -レバノンからの撤退-』というイスラエル製の、アカデミー賞外国映画賞にノミネートされた映画にも、地雷処理係が任務にあたる非常に緊迫感のある場面があったけれど、この戦争映画が特異なのが、爆発物を処理している米軍兵士たちを、遠巻きにしてイラクの一般市民や当の爆弾を仕掛けた者たちが見物しているところ。彼らの冷ややかな目もゾッとしないし、武装しているわけではないから手を出せないところももどかしい。

ほかに、レイフ・ファインズ(ビグローの「ストレンジ・デイズ」に出てたな)や「デクスター」のシーズン1後半で印象的な役を演じてた人も出ています。

なんか、期待していった、ハイテク兵器ばりばりのSFチックな戦闘場面みたいのは全然出てきませんでした。(^_^;) 途中で、すごい年配の観 客が、「ナイス・ショット!」って叫んだり、なんか同年代の知らない観客同士で会話してたり、興奮した様子でした。ベトナム時代でも思いだしていたので しょうか…(^_^;)。

マジ評価高いんで、賞レースにからんでくると思うけど、一般の人の感想で、たまに低い評を与えているのを読むと、どうも、実際にイラク戦争に行っ た人の目から見ると、この映画で描かれてる兵士の言動や作戦の運び方などは、実際とかけ離れてるみたいで、期待して観にいったのにとてもガッカリした、と 書いてありました。脚本は、イラクの爆発物処理班に従軍したジャーナリストが書いてるんですけどね。まあ当事者が物事を客観的・大局的に見られるかと言えば、必ずしもそうではないのですが…。「シビリアンがシビリアンに向けて作った映画だ。シビリアンの評論家が絶賛するのも無理はない」と書いてありまし た。

"The Hangover"「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」

これは、もう1ヶ月ぐらい前から公開されていて、笑えると評判のコメディです。

むさいデブのおっさんが、寝ぼけ眼でホテルのトイレに入ったら虎がいた、というベタな予告編で、全然見る気がなかったんですが、歯医者でroot canal(神経をグシグシする治療)の治療中、助手の人が「"Hangover"観た? すごく面白いから観た方がいいわよ」と、お勧めしてくれたもんで、観にいってみました。(こちらの歯医者は治療中、「先生と助手はおしゃべりすべし」という不文律でもあるみたいです)彼女が気に入ったワケ、分かりました。歯科医が出 てくるんですよ。それで、「こいつドクターとか名乗ってるけど、ただの歯医者だから。心臓発作起こしたら、911電話しなきゃダメだよ」とかバカにされて ますから。えー、でも歯科医なんて、ちょろい治療をチョイチョイとやって、バカ高い治療費もらって、1年の半分は休暇取っていいご身分だと思うんですけど… (←個人的恨み)。しかも劇中の歯科医は、ラリった勢いで自分で自分の歯を抜いちゃうのです。昨日歯を抜いたところがまだ痛むので、生々しかったわ(^_^;)。

でも単純に面白かった! デブの、新郎の義兄(バチュラーパーティでラスベガスに行く話なのです)の役(ザック・ガリフィアナキス)が、激しくおもしろかったです。歯医者さんが式を挙げるピンク色の安っぽい教会、ベガスに行ったとき見たなぁ。

"Sleep Dealer"「マインド・シューター」

[鑑賞日: 6/20/09]
"Sleep Dealer"という、メキシコ製サイバーパンク映画を観ました。
サイバーパンクといえどとても土臭く、刺激的なテーマの、おもしろい映画でした。

アメリカ合衆国とメキシコの国境が封鎖された近未来。アメリカにあこがれる若者メモは田舎からティファナへ上京し、天井からニョキニョキ伸びたコードを体に差しこんで”ジャック・イン”し、バーチャルな方法でアメリカへ上陸します。といっても、アメリカで建設中のビルの工事現場で作業をしているロボットを、遠隔操作しているだけなのですが。「ウォーリー」を操作してるみたいでちょっと楽しそうだけど、でも装置が時々不具合を起こして、労働者の神経がやられたり、あまり長く続けると視覚を失ったりする、危険きわまりない仕事。

サイバーな世界へ誘う装置は、サンディエゴで兵士が使用するものは、ハリウッド映画で観られるようなクリーンで無菌でピカピカで洗練されたデザインですが、メキシコで使われるものは、塚本映画やクエイ兄弟やもっといえば「ブレード・ランナー」にも共通するような、ダストやサビや細菌だらけみたいな、不潔・不浄なガジェット。

メモの父親は、昔は広い農地を持ち、小作農もたくさん雇っていた地主でしたが、ある時アメリカ資本でダムが建設されたせいで畑に水が行かなくなり、作物が採れなくなってしまい、今では貧困にあえぎ、ダムから買う水の料金もママなりません。観たのがだいぶ前だからうろ覚えだけど、父はメモに不毛な土地を見せ、「未来がみたいか。これが俺たちの未来だ。未来はあのダムに盗まれたのだ」といいます。

メモの美しい彼女は、自分の記憶を売り、それを「小説」と称していますが(その買い手が、実は…)、やっていることは自分の臓器を切り売りしている人たちと大差ありません。

つまり、この映画が描いているのは、後進国から安い労働力だけを搾り取り、うま味は全部自分たちで独占している先進諸国、という現在の図式を極端にした世界。


久しぶりに「ニューロマンサー」を読み返してみたくなってしまう映画でした。

2008年のサンダンス映画祭で上映され、日本では「マインド・シューター」という題でDVD化されてるようです。

"Watchmen"

「ウォッチメン」て、あれだ、「泣いた赤鬼」だ。

やべえ、はまりそうだ。

"The First Three Lives of Stuart Hornsley"

[鑑賞日: 7/20/09]

みなさん皆既日食観ましたか?
私はYoutubeなどでちょっと観ました。

山村浩二の アカデミー賞短編アニメーションノミネート作「頭山」Mt. Headが収録されている短編映画集DVDを観ていたら、その中に収められた"The First Three Lives of Stuart Hornsley"というアメリカの実写短編がとても面白かったです。
バークレー大のハンサムな黒人の学生が、教室で一人熱心にタイムマシン(!)実用化の計算式をしていると、そこへミミという日系の学生仲間がやってきて、自分の作ったピンホール観測鏡で皆既日食を一緒に観ようと誘います。でも計算に夢中の彼は断ってしまう。数年後、それがすべてのケチのつきはじめだったと、タイムマ シンを完成させた彼はその時点に戻り、過去を変えようとします。マイルドなユーモアをまぶした、とてもクレバーな作品で、主演の、演技が出来る予想ガイみ たいなTunde Adebimpe(トゥン デ・アデビンペ)もよかったです。その後「レイチェルの結婚」に出ているらしい。お手製の時間旅行服が、「ぼくらの未来へ逆回転」のヤツみたいでほほえま しかったです。彼の相棒はイタリア系の小学生だし(彼は不本意ながら小学校の先生をしている)。おつむと、手先と、映画愛だけが頼りの、DIYの小品。
ハインラインの「夏への扉」がお好きなら、きっととても気に入る。

A total eclips sychronicity. A small, smart, hand-made DIY piece!
If you like Heinlein's "The Door Into Summer," you'll love it.

“The Velveteen Rabbit”(クレイアニメ版)

[鑑賞日: 7/24/09]

こちらはクレイアニメ版「ビ ロードうさぎ」。
2004年の広島アニメフェスでも上映されたらしいです。製作はXYZoo Animationというところなんですが、なんと南アフリカはケープタウンのスタジオです。
ウィル・ヴィントンテイストの、背景もキャラクターもすべ てクレイのとても素敵な作品でした。ウサギ、文句なくかわいい。

A clay animation made by a south Africa studio called “XYZoo Animation.” Like Will Vinton, All characters and sets are made by clay. A rabbit is so cute!

“The Velveteen Rabbit”「ビロードうさぎ」

[鑑賞日: 7/20/09]

こちらの子どもで読んだり読み聞かせられたりしたことがない子はいないと言われる、児童文学のクラシック 「ビロードうさぎ」の映画化最新作です。製作はカナダみたい。監督は「大草原の小さな家」の巻き毛のおとうさん、マイケル・ランドンの息子さんで、ジェー ン・シーモア、トム・スケリット、エレン・バーンステインなどが声の出演をしています。実写パートとアニメーションパートを併用した作品です。ウサギが動 いてしゃべるところは伝統的な手描きアニメで、背景部分をCGで描いています。
原作を大分アレンジしていて、最愛の妻と死に別れて以来心を閉ざし ている父親と、愛に飢えた息子、そして厳格で冷たい祖母が、家族愛を取り戻す、クリスマスのお話にアレンジしています。場所の設定はよくわからないけれど (カナダロケなのか寒そう)、時代は物語が書かれた頃(20年代?)で、お金持ちなお祖母さんの家の、アンティークなインテリアや小道具などの美術が行き 届いていて見飽きません。冷ややかなお祖母さんの造型も、ただの嫌なお祖母さんじゃなくて細やかな演出がされていて、十分共感できるキャラクターになって います。雑な神経の人の作る子ども向けの映画は最悪ですからね(^_^;)。
それでもって、子役の少年がりんごのほっぺのとてもかわいらしい子 で、小公子の役も務まりそうな、愛らしくも端正な顔だちです。アニメ部分ではその子も2Dになっちゃいます。かんじんのうさぎは、実物のぬいぐるみを手描 きアニメにした時に表情をつけやすいデザインにしてあるので、アンティークな素朴さはちょっと少ないですが、それでもなかなかカワイイです。
削除シーンがついていて、そこには、本編とは違う手法のシーンや、削除するにはかなり重要なシーンがあったりして、それも面白いです。アニメーションパートは、効果音がないので、アニメーションにとってどれだけ効果音が重要か、よくわかります。
A Well made family classic. The stuffed animal rabbit was designed to go with 2D animation, so it lost the naivety a little bit, but still has a charm.