2017年6月12日月曜日

"The Mummy"『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』

公開後初めての週末に観に行きました。

興行成績では『ワンダーウーマン』に惨敗と報じられていますが、客席は老若男女で賑わっています。結構お年寄りも多いのが意外。えーと、往年のモンスター映画を懐かしんで? トム・クルーズファン!?  私たちの隣りに座ったのも元ヒッピー風の60年代風の人で、ここの劇場グループが上映前にかけるジェットコースターを模したスポットで、両手を挙げるノリの良さ😀

"wrapped in plastic"のトム・クルーズが死体安置所で息を吹き返すシーンでも、「ひゃあ!」みたいなすっとんきょうな声をあげて、それまで息つく間もなく展開するスクリーンに魅入っていた観客たちもそれに反応してクスクス笑いが波のように起きて(だって予告編でやってたじゃない! この人は映画ビギナーなのか!?)、私たちの前席に座っていた「上映中のおしゃべりは他のお客様の迷惑になります」スペイン語娘三人組に笑いの発作が起きちゃって、しばらくキャハキャハ笑っていました。こういう映画は大勢の観客たちと映画館で観るに限りますねー!

簡単なあらすじと書こうと思ったけど、まあいいかな。みんな知ってるよね。
トム・クルーズはトム・クルーズ役で、ミイラは『キングスマン』の足が凶器になってたソフィア・ブテラで、クルーズのサイドキック役がテレビ『New Girl』のジェイク・ジョンソン。ラッセル・クロウが秘密組織のボス役ですが、こういう、「超常現象(たいてい歴史ミステリーに材をとる)のからむ事件を扱う政府の息のかかった秘密組織」みたいのが大流行りですね。小説の世界もしかりで、それがまたよく売れているそうです。

本編はユニバーサル・ピクチャーズが立ち上げた「ダーク・ユニバース」の第一作。今後も活躍できるように、トム・クルーズは(→ネタバレなので白字に)死の神セトと合体してデビルマン化します。

鑑賞後、監督のインタビューを読みましたが、トム・クルーズの動きがすっかり「うる星やつら」のテンちゃんだった水中シーンは、なるべくCGにしないで、生身の人間たちで撮ったそうです。おかげで生々しかったけど、その代償がテンちゃんなのはどうだろう。



2000年代に制作されたブレンダン・フレイザー主演のミイラシリーズ、『ハムナプトラ』。
第三作のノベライズ翻訳が、はじめて訳した小説です。秦の始皇帝っぽい役でジェット・リーが出てました。これの主人公のコメディタッチ、巻き込まれ型タイプが本作でも踏襲されています。

2017年6月10日土曜日

"Wonder Woman"『ワンダーウーマン』

あんまり評判いいので観に行ったら、まじで良かったっす。

全然知らなかったけど、ワンダーウーマンてアマゾネスで、ゼウスの子どもだったんですね。原作は1941年に誕生し、第二次大戦中の話だそうですが、映画版では第一次大戦に変えています。

ダイアナ(後のワンダーウーマン)が育ったアマゾネスの島に、ある日突然、アメリカ人パイロットのスティーブが操る戦闘機が落ちる。それまで世界から隔絶していた女戦士たちは、世界大戦が勃発したことを知らずにいた。宿敵・軍神アレスを倒して戦争を終わらせるべく、ワンダーウーマンはスティーブとともにイギリスに渡る。

2017年6月9日金曜日

"American Gods" 『アメリカン・ゴッズ』

ケーブル局STARZのテレビドラマで、原作は『コラライン』『スターダスト』のニール・ゲイマン。ゲイマンは製作総指揮もしている。

昨年に製作が発表されてからずっと観たかったのですが、プレミアムチャンネルなのであきらめていたら、日本のアマゾンプライムで観られるじゃないですか! なんか複雑。ぼかしをいくつも入れなきゃいけないのに、よくストリーミングするなぁ。

原作は長いし、一筋縄ではいかない内容なのに、映像化に成功していてすごいです。「物語を物語る」という点では、アメリカのテレビドラマはどんどん小説のレベルに近づいています。小説がテレビドラマに近づいているとも言えるかもしれない。小説を古い神、テレビドラマを新しい神と捉えれば、そのまま『アメリカン・ゴッズ』を体現しているようで面白いです。ムーンが雪を降らすシークエンスが美しくて、特に映像化ならではのCGによる絵作りが白眉。

2017年5月20日土曜日

“Big Little lies”『ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~』

HBOが製作した全7話のミニシリーズ。
監督は『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ、製作総指揮/脚本に『アリー my LOVE』のデイビッド・E・ケリー、主演のリース・ウィザースプーンとニコール・キッドマンは製作総指揮もつとめている。

アメリカでは今年の2月から放映され、回を追うごとにぐんぐん評価と評判が上がっていきました。
私が観たいと思った理由は、モントレーを舞台にしたドラマだったからです。私の住むサンタクルーズからは車で小一時間ほど離れた風光明媚な海辺の街(サンタもモントレー湾沿いの街のひとつ)で、スタインベックの小説で有名なキャナリー・ロウや、『ファインディング・ドリー』に出てくる水族館のモデルであるモントレー水族館などが目玉の観光地でもあります。去年、地元のニュースでロケ撮影の様子が伝えられました。

セピア調、あるいは青みがかった色調で描かれるモントレーは予想以上に美しく撮られ、まさにピクチャレスク(同じ撮影監督でサンタも撮って欲しい〜)。その絵のような街を舞台に、同じ小学校に通う子どもを持つ5人の母親たちの、それぞれの日々を送る間に生まれるドラマが交錯していきます。

小学校の資金集めのために開かれる毎年恒例の夜会イベント(今年はエルビスとヘプバーンがテーマ)で、殺人事件が発生した。殺されたのは誰? 殺したのは誰? 現場検証を終え、警察はイベントに集まった学校職員や父兄たちから事情聴取をはじめる。

2017年5月9日火曜日

“Sing”『シング』&“Moana” 『モアナと伝説の海』

“Sing”『シング』
 
楽しかった! 動物たちが演じる、昭和の人情喜劇を観ているようでした!

 同じ日に観た『モアナ』もとてもよかったけれど、これを観てしまうと、型どおり過ぎる欠点が鮮明になってしまう。

『シング!』は、結末は予定調和でも、要所要所で予想外な展開があって、ちっとも退屈しませんでした。ひとつのアクションに対してのリアクションも細やかで、それぞれのキャラクターにもとづいて、あくまで自律的な反応をしているように感じさせ、うっというしいキャラもアクションもひとつもなくて見事です。夢破れた劇場支配人のコアラが悪友のねぐらに居候してふて寝していたら、出場者たちがやってきて励まし、それを受けてのコアラのとった行動と、悪友のリアクションとかね。

 日本のガールズバンドの描写に対しては、ヤマアラシ嬢の針が2,3本ささりましたけど。まぁアングロサクソンから見たら色もの以外の何ものでもないわな。

 どんなドジでもダメなヤツでも悪い奴でもちっとも責めないコアラが素敵🐨 
 コアラもふくめ、声優が誰なのか見当つかなかったけど、コアラの悪友のラマ(?)だけは、ジョン・C・ライリーだってわかったよ。(^_^;) それぞれの性格と役回りにぴったりな(そこは型どおり)動物の配役も効いてました。200歳のカメレオンがお気に入り。ギョロ目でしかも義眼だけど、ヘイヘイと同じくがちゃ目なのがチャームポイント。

“Moana” 『モアナと伝説の海』
 
すっごいきれいな画面でした。海の表現、有機物・無機物の質感とライティング…。どこまで行くのだろう。この完成度のモアナとマウイが、2Dアニメのタパを背景に歌い踊るシーンはある種、パラダイムシフト的な衝撃がありました。

 マウイはディズニー・スタジオを体現しているようでした。浮くも沈むも大衆の支持次第。

 ヒロイン像(ナ○シカor/and○尋)もモンスター(ダイ○ラ○ッチor/andポニョのお母さん)も、どうして毎回臆面もなく、Mixxxxkiの剽窃をするのかが最大の謎です。『ライオンキング』(ジャングル大帝)しかり、『アトランティス』(ナディア)しかり、スタジオの体質とみなされても仕方がない? でも真似されっぱなしで長いものに巻かれる方がもっと情けない。

 ヘイヘイがお気に入り♡

 これも、5、6年後にはディズニーが実写にするんですかね。

2017年5月8日月曜日

“Manchester by the Sea”『マンチェスター・バイ・ザ・シー』


アカデミー賞作品賞他数々の映画賞にノミネートされ、アカデミー賞主演男優賞(ケーシー・アフレック)、脚本賞(ケネス・ローガン)を受賞した作品。
評価もRotten Tomatos, Metacritic ともに96点と、ほぼ最高点に近い評価を得ている。

つまり、私のような感想を持った人間はほぼいないということに。
貴重な少数意見がこちら:

なんといやみったらしい映画なんだ。
こんなにムカムカする映画は観たことがない。
見終わったあと、主人公のリーのようにバーに行って酒かっくらって誰彼なしに殴りかかりたくなりました。

おわり。
Amazon Primeで観賞。

2017年5月5日金曜日

"The Circle"『ザ・サークル』

トム・ハンクス、エマ・ワトソン主演のテクノスリラー。

デイヴ・エガーズ著『ザ・サークル』を、エガーズとジェームズ・ポンソルトが脚色、ポンソルトが監督した。ハンクスは製作も兼ねている。

グーグルとFacebookとインスタグラムを合わせたようなIT会社<サークル>のカスタマー・サービス部門に採用され、メイ(エマ・ワトソン)は有頂天になる。

カリフォルニアのベイエリアに構えた円環状の社屋(Appleの新社屋そっくり!)は開放的で、社員は若くフレンドリー、仕事への熱意にあふれていた。福利厚生は充実し、芝生を敷きつめた広大なキャンパスはドローンが飛び交い、夜通しのパーティやBECKら有名バンドの演奏などのレクリエーションが常時行われ、寮やスポーツ施設も完備されており社員はキャンパスを一歩も出ずに快適に生活できた。実際、義務ではないものの、社員は週末も会社に残り、様々なアクティビティに参加して社内の交流を深めることが奨励されていた。サークル社が開発したOSのユーザーと社員はSNSで繋がり、趣味などの個人情報をオープンにしていない社員には、ユーザーが辛い採点をする。それというのも、創業者のベイリー(トム・ハンクス)が「秘密は嘘」「シェアリングは分かちあい」をモットーとして、個人も企業も政治家も、すべての情報を公にさらす「透明な」社会を理想としていたからだった。

2017年5月2日火曜日

"Colossal"

Colossalは、でっけーとか大ごととか、そんな意味。

韓国のソウルに怪獣が出現し、アメリカの片田舎にいるアン・ハサウェイは怪物が自分とそっくり同じ動作をすることに気がつく、という荒唐無稽ストーリー。

ニューヨークで酒浸りのパーティー三昧生活を送っていたグロリア(アン・ハサウェイ)は、恋人から愛想を尽かされて部屋を追い出されてしまう。田舎の実家に戻ったグロリアは、幼なじみのオスカー(SNL出身のコメディアン、ジェイソン・サダイキス)と再会して彼のバーでウェイトレスのバイトをはじめる。その頃、世間はソウルに怪獣出現の報に騒然となっていた。グロリアはあるとき、怪獣と自分に、なぜか繋がりがあることを発見する。酔っ払って正体をなくし、公園でくだをまく自分の行動と、怪獣のとる行動が同期しているのだ。

2017年4月3日月曜日

"Ghost in The Shell"『ゴースト・イン・ザ・シェル』

『ゴースト・イン・ザ・シェル』、公開二日目の土曜日午後、3Dで観てきました。サンタのシネコン、シネマ9が、左のようなカードをくれました。1000枚配るうちの900番目。切れのいい番号! この映画館では900人目の観客です。どうしておひな様と一緒に映っているかは、映画を観るとわかります!

文句はいろいろあるけどそれは書いてもしようもないことばかりなので、内容に関係ないことをひとつ書くと、3Dで観なくても全然構わない映画でした。😅

いいところを書くと、スカヨハは眼福で、バトー役の人が良くて、バセットハウンドがいっぱい出てきて、タケシは場面掠いで、桃井かおりは英語でも桃井かおりで(彼女の英語、すごく聞き取りづらい…)、この映画観ると、アニメーションの方の映画をもう一度観たくなります😀


2017年3月25日土曜日

"Kedi"

イスタンブールの野良猫たちを撮ったドキュメンタリー。

海辺の古都、イスタンブールは野良猫だらけ。「野良猫のいないイスタンブールなんて考えられない」と住人がいうほど、街の暮らしと一体化しています。

映画は、うじゃうじゃいるネコたちから7匹をクローズアップして追いかけますが、それぞれにそのネコたちをかまう人間がいます。えさをあげたり、なでてあげたりはするけど、飼ったりはしない距離感が絶妙で、一匹一匹個性的なネコの流儀もおもしろいけど(おなかが減ると、カフェの中には入らないけど窓をガジガジするネコとか、完全に夫ネコを尻に敷いてて住人から〝となりのサイコパス〟と呼ばれてるボスネコとか)、見守る人間たちもそれぞれのネコ観があり、それがまたうんちく深いです。「犬は人間を神様だと思ってる。ネコは神の存在を知っている。人間はネコが神の遣いだと思ってる」(だったかな)とかね。もうすぐ一帯に大きなビルが建つ予定で、人間よりネコたちを心配する人もいました。どんな人も、ネコを見守る目の優しいことと言ったら。

監督さん
カメラはネコの目線と同じ高さで映すので、必然的に道ばたのゴミとかが結構目立ちます。人々もなんだかみすぼらしい格好で、「身だしなみ? なにそれ」って感じです。そのうちネコよりゴミの方が気になってきちゃって、日本人ていつの間にか潔癖すぎる民族になっちゃったんだなあ、と変な感慨を抱きました。だって、これが日本人が撮った映画ならば、きっと汚らしい場所は撮らないか、ゴミを片づけてから撮ると思うのです。でも監督さん(これがデビュー作のCeyda Torunというイスタンブール生まれの女性)は、そんなことはまったく頓着せず、つまりそれが当たり前だと思っているわけですよね。きっと、道ばたのゴミが気になる観客がいるなんて、考えもしないのではないでしょうか。

潔癖症日本人の私としては、人間はあまり出てこないで、ひたすらネコたちを美しい映像で追いかける「世界ネコ歩き」の方が、ネコだけに集中できて性に合っています。でもDVDが出たらきっとまたもう一回観ちゃうでしょう。

ちょうどこの頃「インフェルノ」をオーディオで聞いていたのですが、クライマックスの舞台がイスタンブールでした。映画版も観てみよう。ネコは映るかしら。ハリウッド映画だから、絶対道ばたにゴミなんか落ちてなくて、人々もすっきりした身なりをしていることでしょう。

🐱 “Kedi”の一コマみたいな、トルコのニュース番組に迷い込んだ野良猫のお話
「座り心地良さそうなPCじゃニャいですかー!」 トルコのニュース番組に猫が乱入 のびのびとくつろぐ

2017年3月22日水曜日

4月8日日本公開!『ぼくと魔法の言葉たち』”Life, Animated”

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今年のアカデミー賞®にもノミネートされたドキュメンタリー映画の必見作『ぼくと魔法の言葉たち』が、いよいよ4月8日、日本でも公開になります(ちなみに受賞したのは"O.J.: Made in America"。O・J・シンプソンについては昨年テレビシリーズも作られたのに、まるでアメリカはOJに取り憑かれているみたい)。

映画の感想については、一年前のアメリカ公開時に書いていますが、DVDが出たのでもう一度観ると、あらためて素晴らしい作品で、笑ったり、じーんとしたり、ハラハラしたりと、ディズニー映画鑑賞中のオーウェンみたいな状態でした。

上のチラシの真ん中で、自分が描いた絵を背にして誇らしそうに腕を組んでいる若者が、オーウェンです。カジモドやジミニー・クリケットなど、ディズニー・アニメーションのなかでも、地味目なキャラクターが描かれているのにお気づきでしょうか。

2017年3月18日土曜日

“My Life as a Zucchini”(Ma vie de Courgette)『ズッキーニと呼ばれて』

2016年度アカデミー賞長編アニメーションにノミネートされたスイス製作の映画。言語はフランス語。

私は英語吹き替え版で見ました。やさしいダイアログだから楽に聞き取れます。

題名が『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』を連想させるけど、これもやっぱり孤独な少年のちょっとヘビーなお話。

 9才の少年ズッキーニには、立派な本名があるけれど、ママがつけてくれたあだ名で呼ぶように、みんなに求めます。警察官のレイモンドにも、孤児院の先生にも、そこのこどもたちにも。たこ揚げが好きなズッキーニは、のんべの母親が飲み干して部屋中に放り出したビールの空き缶を集めて、2階の自分の部屋でピラミッドを作って遊んでいました。でも怒った母親が2階に上がるはしごから落ちて事故死してしまい(落ちた原因を作ったのはズッキーニ。でも意図的ではない)、天涯孤独に。Chicks(女の子の意味だけど、ズッキーニはひよこだと思っている)が好きな父親は、とっくに家族を捨てていました。事情聴取をした私服警官のレイモンドに連れられ、ズッキーニは孤児院へ。ところでレイモンドは車で送って行く途中、「たこ揚げしていいよ」と言ってくれる優しいおじさんでした。
 孤児院ではみんなと共同の寝室で、さっそくいじめっ子サイモンの洗礼を受けたりするけど、舎監の先生は就寝時に優しくキスしてくれるし、歴史の先生は面白いし、サイモンもあることをきっかけにうちあけ話をする仲になり、レイモンドもときどき様子を見に来てくれます。さらに、新入りのカミーユという女の子とも仲良くなって、ズッキーニはすっかりここの生活が好きになります。ところが、カミーユのいじわるおばさんが、補助金目当てに彼女を引き取りたいと言い出して……。

2017年3月1日水曜日

"Great Wall"『グレートウォール』

マット・デイモン主演、チャン・イーモウ監督作。

アメリカでは大コケ視されていますが、公開1週目の日曜日に観に行ったら、まあまあ家族連れが入っていて、デイモンと相棒の掛け合いに受けていたし、そんなに悪くないと思います。中国では大ヒットしたらしいしね。日本では4月公開予定。

私も期待したより、普通に気楽に楽しめました。陰惨すぎも、脳天気すぎもせずに、ちょうどいいアクション大作。

デイモンたちが戦うクリーチャー、饕餮(とうてつ)の額が青銅器みたいなデザインなのと、太鼓のばちがヌンチャクなところが良かったです😊

ヒロインの中国人女優さんは、同じくライオンズ・ゲート作品の『キングコング 髑髏島の巨神』にも生物学者役で出ています。

2017年2月26日日曜日

“Get Out”『ゲット・アウト(原題)』

若いカップル、クリスとローズが週末、ローズの家へ行くことに。はじめてローズの家族に会うクリスは、黒人の自分が白人の娘の恋人であることを知ってどんな反応を示すか不安だった。だが外科医の父親と精神科医の母親(キャスリーン・キーナン)は、そんなことはまったく気にせず、優雅な隠居生活を送る裕福な隣人たちも暖かく迎える。ところが、何か妙な空気が流れていることに、クリスは気づかざるを得ず……。

〝キー&ピール〟という黒人コンビの人気コメディアン、ジョーダン・ピールの監督デビュー作。〝Keanu(キアヌ)〟という映画の脚本を書いて、コンビのキーと主演したりもしています。ちなみにキアヌは盗まれちゃったネコの名前。

ジャンルとしては、ミステリー/スリラー/ホラー/コメディだそうです。

Rotten Tomatoesでは100%ポジティブで、100人以上の評価で100%ポジティブを獲得した初めての映画らしいです(←ツイッターで流し読みしたのでうろ覚え。ホラー映画としてはだったかな?)。

ワイドショーにピールが出たとき、「コメディとホラーは、タイミングがすべてというところが共通しているんだ」と言ったコメントを聞いて、期待が持てそうだな、と思い、公開初日に観に行きました。

私は100%ダメだったよ😀
まずオープニングでまったくタイプの違う曲をふたつ流すというところから違和感があり、終始いまどきの映画には観られない古くさく、チープでわざとらしい演出に、なんの冗談かと思ってしまいました(ポランスキー等過去の名匠によるホラー映画を観て学んだという話ですが、う〜ん?)。

どのへんを評価しているのか、Rottenをざっと読んでみたけど、今までにない切り口が新鮮だそうで、それは人種偏見を逆手にとってホラーに仕上げた手法を指すようです。

それで、わたしがピンと来なかった理由に少し納得。アメリカに長年住んで、だいぶこの国の人種問題を理解した気になったけれど、やっぱりネイティブの方々よりは鈍感なのでしょう(日本人、アジア人として差別を感じることはたまにあるけど、黒人問題とは趣がことなります)。もしやと思って、Rotten Tomatoesに載ってる評者の顔写真を全部見てみたけど、100人超中黒人はふたりでした。映画評論の世界も、白人男性が絶対優位だよなぁ。

エンドクレジットを観ていたら、電通&フジテレビの名前が。どう関わっているんだろう??

映画館を出たあと、見かけた人たちがなんだかうろんに映って見えたので、なんだかんだで影響力強いのかも😅

“Red Turtle”『レッドタートル』

 こちらもオスカー候補作。

ワンコが一匹、観に来ていました、おじいさんに連れられて……。

カニさんがかわいかったです。

デトックスを受けたあとの気分ってこんなでしょうかね?

これがオスカー撮ったら痛快ですね。いや、『クボ』が一押しなんだけれども、たぶん『ズートピア』には勝てないだろうから……。

“Oscar Nominated Short Films 2017:” 『2017年オスカー短編映画賞ノミネート作品集』

アカデミー賞短編賞にノミネートされた作品を上映する毎年恒例のプログラム。

Animation部門
“Borrowed Time” (USA)
“Pearl” (USA)
Piper” (USA)『ひな鳥の冒険』
“Blind Vaysha” (Canada)
Pear Cider and Cigarettes” (Canada/UK)

他、honorary mention作品を3本上映

今年は『ひな鳥の冒険』以外、どれもピンと来ませんでした。Piperはミユビシギのことで、サンタクルーズの海岸にもいて、映画の通りに集団で波打ち際でちょこちょこえさ探しをしたり、砂浜でのんびり憩っています。気がつかずに近づくと、とことことこって逃げていきます。

あとは、題名忘れちゃったんですが、honorary mention作の、おばあさんがもげた頭を抱えて列車に乗って海に行く作品が良かったです。あれは健忘症を表現しているんでしょうけども。題名忘れている自分も危ない💦

(見つけました。"Une tête disparaît"っていう作品だ)

Pear Cider and Cigarettes” が評価が高く、これか『ひな鳥』が採るでしょう。"“Pear Cider"はクリエイターの実体験がもとになり、中国が舞台のひとつなんですが、ネオンサインがカタカナ混じりの日本語だったのが頭痛いです。

Live Action部門
Sing”『合唱』 (Hungary)
Silent Nights” (Denmark)
Timecode” (Spain)
“Ennemis Interieurs” (France)
La Femme et le TGV” (Switzerland)

こちらはフランス国籍を申請したアルジェリア人が警察署で尋問を受ける陰鬱な“Ennemis Interieurs”以外、全部おもしろかったです。“Ennemis”は陰鬱を極めた末に、なんのカタルシスも与えず、観客いびりのような映画。げっそり。

歌好きの転校生の女の子が合唱隊に入り、親友もできるのだが、コンクール連勝を目指す先生からとある指示を受け……という“Sing”『合唱』は、小学生時分の気持ちを初々しく思い出させてくれる佳作。“Silent Nights”はアフリカから職を探しにやってきた黒人ホームレスとボランティアで彼らを世話する女性の、容赦ない現実が次々に降りかかる切ないラブストーリー。“Timecode”は昼夜をそれぞれ担当する駐車場の警備員の、監視カメラを通したちょっとしたコミュニケーションを描くアイディア勝負の軽い作品。最後のオチに「プッ」っと吹き出すかどうかで評価がわかれそう。“La Femme et le TGV”は、線路脇に住み、毎朝定刻に通るTGVに旗を振って見送るのを楽しみにしている老女のお話。確か、実話に基づいている。老女役の女優さんに独特の存在感があるな、と思ったらジェーン・バーキンでした。若い時分から脂身のない人でしたが……。

『合唱』も良かったけれど、もう一度観たいと強く思わせる作品は“La Femme et le TGV”。多分これがオスカーを取るのでは。

☆このサイトで各作品のトレイラーが観られます。
ドキュメンタリー部門は、サンタクルーズではやりませんでした。アニメーションは7ドル、実写は8ドル。以前はどちらかの半券を見せると、おまけしてくれたんだけどな。