2017年3月25日土曜日

"Kedi"

イスタンブールの野良猫たちを撮ったドキュメンタリー。

海辺の古都、イスタンブールは野良猫だらけ。「野良猫のいないイスタンブールなんて考えられない」と住人がいうほど、街の暮らしと一体化しています。

映画は、うじゃうじゃいるネコたちから7匹をクローズアップして追いかけますが、それぞれにそのネコたちをかまう人間がいます。えさをあげたり、なでてあげたりはするけど、飼ったりはしない距離感が絶妙で、一匹一匹個性的なネコの流儀もおもしろいけど(おなかが減ると、カフェの中には入らないけど窓をガジガジするネコとか、完全に夫ネコを尻に敷いてて住人から〝となりのサイコパス〟と呼ばれてるボスネコとか)、見守る人間たちもそれぞれのネコ観があり、それがまたうんちく深いです。「犬は人間を神様だと思ってる。ネコは神の存在を知っている。人間はネコが神の遣いだと思ってる」(だったかな)とかね。もうすぐ一帯に大きなビルが建つ予定で、人間よりネコたちを心配する人もいました。どんな人も、ネコを見守る目の優しいことと言ったら。

監督さん
カメラはネコの目線と同じ高さで映すので、必然的に道ばたのゴミとかが結構目立ちます。人々もなんだかみすぼらしい格好で、「身だしなみ? なにそれ」って感じです。そのうちネコよりゴミの方が気になってきちゃって、日本人ていつの間にか潔癖すぎる民族になっちゃったんだなあ、と変な感慨を抱きました。だって、これが日本人が撮った映画ならば、きっと汚らしい場所は撮らないか、ゴミを片づけてから撮ると思うのです。でも監督さん(これがデビュー作のCeyda Torunというイスタンブール生まれの女性)は、そんなことはまったく頓着せず、つまりそれが当たり前だと思っているわけですよね。きっと、道ばたのゴミが気になる観客がいるなんて、考えもしないのではないでしょうか。

潔癖症日本人の私としては、人間はあまり出てこないで、ひたすらネコたちを美しい映像で追いかける「世界ネコ歩き」の方が、ネコだけに集中できて性に合っています。でもDVDが出たらきっとまたもう一回観ちゃうでしょう。

ちょうどこの頃「インフェルノ」をオーディオで聞いていたのですが、クライマックスの舞台がイスタンブールでした。映画版も観てみよう。ネコは映るかしら。ハリウッド映画だから、絶対道ばたにゴミなんか落ちてなくて、人々もすっきりした身なりをしていることでしょう。

🐱 “Kedi”の一コマみたいな、トルコのニュース番組に迷い込んだ野良猫のお話
「座り心地良さそうなPCじゃニャいですかー!」 トルコのニュース番組に猫が乱入 のびのびとくつろぐ

2017年3月22日水曜日

4月8日日本公開!『ぼくと魔法の言葉たち』”Life, Animated”

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今年のアカデミー賞®にもノミネートされたドキュメンタリー映画の必見作『ぼくと魔法の言葉たち』が、いよいよ4月8日、日本でも公開になります(ちなみに受賞したのは"O.J.: Made in America"。O・J・シンプソンについては昨年テレビシリーズも作られたのに、まるでアメリカはOJに取り憑かれているみたい)。

映画の感想については、一年前のアメリカ公開時に書いていますが、DVDが出たのでもう一度観ると、あらためて素晴らしい作品で、笑ったり、じーんとしたり、ハラハラしたりと、ディズニー映画鑑賞中のオーウェンみたいな状態でした。

上のチラシの真ん中で、自分が描いた絵を背にして誇らしそうに腕を組んでいる若者が、オーウェンです。カジモドやジミニー・クリケットなど、ディズニー・アニメーションのなかでも、地味目なキャラクターが描かれているのにお気づきでしょうか。

2017年3月18日土曜日

“My Life as a Zucchini”(Ma vie de Courgette)『ズッキーニと呼ばれて』

2016年度アカデミー賞長編アニメーションにノミネートされたスイス製作の映画。言語はフランス語。

私は英語吹き替え版で見ました。やさしいダイアログだから楽に聞き取れます。

題名が『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』を連想させるけど、これもやっぱり孤独な少年のちょっとヘビーなお話。

 9才の少年ズッキーニには、立派な本名があるけれど、ママがつけてくれたあだ名で呼ぶように、みんなに求めます。警察官のレイモンドにも、孤児院の先生にも、そこのこどもたちにも。たこ揚げが好きなズッキーニは、のんべの母親が飲み干して部屋中に放り出したビールの空き缶を集めて、2階の自分の部屋でピラミッドを作って遊んでいました。でも怒った母親が2階に上がるはしごから落ちて事故死してしまい(落ちた原因を作ったのはズッキーニ。でも意図的ではない)、天涯孤独に。Chicks(女の子の意味だけど、ズッキーニはひよこだと思っている)が好きな父親は、とっくに家族を捨てていました。事情聴取をした私服警官のレイモンドに連れられ、ズッキーニは孤児院へ。ところでレイモンドは車で送って行く途中、「たこ揚げしていいよ」と言ってくれる優しいおじさんでした。
 孤児院ではみんなと共同の寝室で、さっそくいじめっ子サイモンの洗礼を受けたりするけど、舎監の先生は就寝時に優しくキスしてくれるし、歴史の先生は面白いし、サイモンもあることをきっかけにうちあけ話をする仲になり、レイモンドもときどき様子を見に来てくれます。さらに、新入りのカミーユという女の子とも仲良くなって、ズッキーニはすっかりここの生活が好きになります。ところが、カミーユのいじわるおばさんが、補助金目当てに彼女を引き取りたいと言い出して……。

2017年3月1日水曜日

"Great Wall"『グレートウォール』

マット・デイモン主演、チャン・イーモウ監督作。

アメリカでは大コケ視されていますが、公開1週目の日曜日に観に行ったら、まあまあ家族連れが入っていて、デイモンと相棒の掛け合いに受けていたし、そんなに悪くないと思います。中国では大ヒットしたらしいしね。日本では4月公開予定。

私も期待したより、普通に気楽に楽しめました。陰惨すぎも、脳天気すぎもせずに、ちょうどいいアクション大作。

デイモンたちが戦うクリーチャー、饕餮(とうてつ)の額が青銅器みたいなデザインなのと、太鼓のばちがヌンチャクなところが良かったです😊

ヒロインの中国人女優さんは、同じくライオンズ・ゲート作品の『キングコング 髑髏島の巨神』にも生物学者役で出ています。