2017年3月18日土曜日

“My Life as a Zucchini”(Ma vie de Courgette)『ズッキーニと呼ばれて』

2016年度アカデミー賞長編アニメーションにノミネートされたスイス製作の映画。言語はフランス語。

私は英語吹き替え版で見ました。やさしいダイアログだから楽に聞き取れます。

題名が『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』を連想させるけど、これもやっぱり孤独な少年のちょっとヘビーなお話。

 9才の少年ズッキーニには、立派な本名があるけれど、ママがつけてくれたあだ名で呼ぶように、みんなに求めます。警察官のレイモンドにも、孤児院の先生にも、そこのこどもたちにも。たこ揚げが好きなズッキーニは、のんべの母親が飲み干して部屋中に放り出したビールの空き缶を集めて、2階の自分の部屋でピラミッドを作って遊んでいました。でも怒った母親が2階に上がるはしごから落ちて事故死してしまい(落ちた原因を作ったのはズッキーニ。でも意図的ではない)、天涯孤独に。Chicks(女の子の意味だけど、ズッキーニはひよこだと思っている)が好きな父親は、とっくに家族を捨てていました。事情聴取をした私服警官のレイモンドに連れられ、ズッキーニは孤児院へ。ところでレイモンドは車で送って行く途中、「たこ揚げしていいよ」と言ってくれる優しいおじさんでした。
 孤児院ではみんなと共同の寝室で、さっそくいじめっ子サイモンの洗礼を受けたりするけど、舎監の先生は就寝時に優しくキスしてくれるし、歴史の先生は面白いし、サイモンもあることをきっかけにうちあけ話をする仲になり、レイモンドもときどき様子を見に来てくれます。さらに、新入りのカミーユという女の子とも仲良くなって、ズッキーニはすっかりここの生活が好きになります。ところが、カミーユのいじわるおばさんが、補助金目当てに彼女を引き取りたいと言い出して……。


これにアカデミー賞をあげたかったなあ。今回ノミネートされた作品では、一番好きです。
ストップモーション・アニメーションとしは「クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(Kubo and Two Strings)」があるけれど、あれは素晴らしすぎ、精巧すぎ(パペットは3Dプリンタで作成している)て、一変に処理できる情報量のキャパシティが少ない私には、素朴な「ズッキーニ」がちょうどいいビジュアル情報量なのです。「これなら自分でも作れるかも」って思わせてくれる親しみやすさがよいです。

上映時間は1時間ちょいで、最初に短編の”The Genie in a Ravioli Can”が併映されるのですが、これまたすごい素敵。ランプの精ならぬラビオリ缶の精が、ラビオリ工場ではたらく男に二つの願いを叶えてくれるお話。「ズッキーニ」と同じクロード・バラスという監督さんの作品。

ここで観れるよ。ぜひ観てみて!
The Genie in a Ravioli Can

小さなニコロデオンの映画館にはいつも通り10人ほどのご老人が観賞されていましたが、皆さんエンドクレジットの最後まで席を立たず(暗くて足下あぶないからね)、クレジット後のおまけ映像もご覧になっていました。一人だけ先に出た友人に、上映後、おじいさんが「おい、肝心なところを見逃したぞい!」って話しかけていました。😊 ズッキーニ役の男の子のオーディション場面、という設定なのですが、もちろん粘土製のパペットにはあり得ない状況で、きっと声を当てた少年の実際のオーディション音声に、クレイパペットの映像をつけたんじゃないかな。

ところで英語版のレイモンドは、SNL出身のウィル・フォーテ(『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』)がアテていました。

日本では、つい先日、東京アニメワールドフェスティバル2017で上映された模様。

波長が合う映画を見ると、体調もよくなって、ちょっとした風邪や頭痛はどっかにいっちゃいますね〜。

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