2017年5月5日金曜日

"The Circle"『ザ・サークル』

トム・ハンクス、エマ・ワトソン主演のテクノスリラー。

デイヴ・エガーズ著『ザ・サークル』を、エガーズとジェームズ・ポンソルトが脚色、ポンソルトが監督した。ハンクスは製作も兼ねている。

グーグルとFacebookとインスタグラムを合わせたようなIT会社<サークル>のカスタマー・サービス部門に採用され、メイ(エマ・ワトソン)は有頂天になる。

カリフォルニアのベイエリアに構えた円環状の社屋(Appleの新社屋そっくり!)は開放的で、社員は若くフレンドリー、仕事への熱意にあふれていた。福利厚生は充実し、芝生を敷きつめた広大なキャンパスはドローンが飛び交い、夜通しのパーティやBECKら有名バンドの演奏などのレクリエーションが常時行われ、寮やスポーツ施設も完備されており社員はキャンパスを一歩も出ずに快適に生活できた。実際、義務ではないものの、社員は週末も会社に残り、様々なアクティビティに参加して社内の交流を深めることが奨励されていた。サークル社が開発したOSのユーザーと社員はSNSで繋がり、趣味などの個人情報をオープンにしていない社員には、ユーザーが辛い採点をする。それというのも、創業者のベイリー(トム・ハンクス)が「秘密は嘘」「シェアリングは分かちあい」をモットーとして、個人も企業も政治家も、すべての情報を公にさらす「透明な」社会を理想としていたからだった。



社の新製品、小型で安価ながらネットワークに繋がった高性能のカメラはその戦略の目玉であり、世界中にカメラを設置してあらゆる場所をオンラインで公開すれば、犯罪防止になると主張していた。

そんな社風に戸惑いを覚え、ひとりになりたくなったメイはある夜、サンフランシスコ湾にカヤックでこぎ出す。だがその晩は月がなくて視界がきかず、小型のボートにぶつかり転覆したところを、運良くサークル社のカメラが捉えていたためにすぐに救助されてことなきを得る。

すっかり社の方針への疑念が消えたメイは、自ら進んでバッチ型のカメラを身につけ、一日24時間自分の行動をユーザーに公開しはじめた。世界中のユーザーがメイの一日を追い、彼女の一挙手一投足に対して膨大なコメントが寄せられる。メイの人気に目をつけたベイリーは彼女を社のスポークスパーソンに仕立て、カメラの威力をデモンストレーションするため、試しにとある指名手配犯を20分以内に見つけ出すという実験をユーザーたちにけしかけさせる。実験は成功した。次は市井の人物で試してみようという流れになり、ユーザーのリクエストによりメイの友人でテクノロジー反対派のマルセルの居所をつきとめる実験が開始された…。


評価は良くないです。Rotten Tomatosでは17%、Metacriticで43%。
低評価の理由は「せっかくの素材を生かし切れてない」的なものが多いです。

私はおもしろかったです。
「プライバシーという名の隠し事が諸悪の根源だ、プライバシーなんてなくしてしまい、すべてをオープンにすれば、衆人環視のもとで悪事を行う者はいない」というベイリーの主張が行き着く先を、見てみたいと思いました。嬉嬉としてとして自らプライバシーを放棄したり、仕方なく手放す現象(その旨を同意しないとある機能が使えないとか)は、ネット社会の今ではもう起きていることだから。

エマ・ワトソンがとても良かったです。彼女が演じているので、観客はメイという共感しにくい主人公になんとか最後まで興味を持ってついていけます。トム・ハンクスに負けないぐらい、問答無用でこちらの武装を解除するlikabilityあふれる女優さんになりそうですね。

ほかに、ビル・パクストン(これが遺作)や、SWのジョン・ボイエガが出ています。

サントラがいいなぁ、と思ったら、音楽はダニー・エルフマン! 


0 件のコメント: